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h3>BS/110°CSデジタルの視聴方法(設置編)

機器編でお話したチューナー(B-CASカード含)とパラボラアンテナ、下準備編でお話したケーブル、工具等が準備できましたなら設置しましょう。

BS/110°CSデジタルアンテナで電波を受信できる場所を見極めよう

衛星放送からデータを受信するわけですのでアンテナを衛星放送のある方向に向けたときに障害物(ビル等)が存在すると受信できません。ではどの方向に衛星放送があるか?ということを知っておく必要があります
BS衛星及び110°CS衛星はおおよそ東経110度の赤道上約36,000kmの静止軌道上に存在しますこれらの衛星からの電波を受信する為には南南西の方向にアンテナを向け設置できる環境が必要です。午後2時から3時に太陽が見える場所なら取り付け可能場所だと思ってください。
もちろん日本もなんだかんだで広いですので場所によってアンテナの角度が違います。下記の表は都道府県庁所在地他主要地でのアンテナの方向です。

【各都道府県庁所在地他主要都市での方位角・仰角の一覧表】 

ところで、上表にある方位角と仰角というのはあまり聞きなれない言葉だと思います。ですので簡単な説明をさせて頂きます。

方位角

方位角とは現在地を真上から見て、真北を0度とみて時計回りに方角に角度を振った場合の角度です。
ですので
真北=0度、真東=90度、真南=180度、真西=270度
と表現します。

houi-kaku.gif

例えば東京の場合、真北から方位角約224.4度の方向にBS衛星(110°CS衛星)があるということです。

仰角

仰ぐ角と書いて仰角、その字の通り地平面との角度のことです。
衛星は赤道上空にあるので緯度が高い地域ですと仰角は小さく、逆に緯度が低い地域は仰角は大きくなります。日本ですと仰角は大体30〜45度内に収まります。

gyou-kaku.gif

BSアンテナを固定する場所を決めましょう

ではパラボラアンテナの取り付け場所を考えましょう。
取付場所としましては

  • ベランダ手すり
  • ベランダにポール立て
  • 庭にポール立て
  • 壁面
  • 屋根上     etc.

といろいろありますが、実際取り付け・アンテナ調整は2人以上での作業をお勧めします。アンテナの設置だけでしたらお一人でも出来ますが(それでも結構危険な作業です)、設置後のアンテナ調整がお一人では難しい場合があります。というのもアンテナをチューナーに接続後テレビ画面でアンテナレベルを確認しがら角度調整をするのですが、壁面や屋根上ではまず無理ですしお庭設置でも距離が遠くなります。
ですので、 お一人でされる場合はBS画面を確認しながらアンテナ調整が可能な環境であることをご確認下さい。
2人以上ですと1人がアンテナ調整役、1人が画面でのアンテナレベル確認役で携帯電話等連絡を取りながらアンテナ角調整することは可能です。
でも壁面や屋上・屋根上の場合は本体及び取付金具の固定が難しいことや危険が伴いますのでやはり専門業者に任せてください。

取付け例の一番多い事例はベランダ手すりです。
アンテナを新規ご購入の際取付け部材付属とあるのは大抵がベランダ手すり取付用部材ですのでベランダにお取付けされないことがわかっている場合は取付け部材なしのものをお求め下さい(その分若干安くなりますし、それとは別の取付け部材をお買い求め頂く事になりますので無駄になります)。
場所に応じたアンテナ固定器具(取付け部材)が出ています。お住まいの条件にあったものを選びましょう。
取付金具は以下のようなものがあります。

屋根固定馬式固定金具
bs-anntena-buzai-yane.jpg

日本の一戸建建築にマッチした、一番良く使われている屋根上固定の脚付きタイプのものです。
地上波用アンテナ屋根置き用固定器具も同等の形なのですが、強度の問題上今設置されている地上波アンテナに追加でBSアンテナの取り付けはしないで下さい(別に専用の固定器具をご用意下さい)。

どうしても場所の問題上地上波アンテナとBSを同じ屋根馬式固定具で設置しなければならない場合、地上波アンテナポールが取付け可能な衛星アンテナ固定具を必ず使用してください。

anntena00014.jpg

屋根に設置の際は安定ワイヤー線を四方に張ってずれない様固定してください。

コンクリート用ベランダ取付金具
bs-anntena-buzai-conkuri.jpg

ベランダは・るけど手すりがなかったりコンクリート等で隙間が無い場合に、洗濯ばさみの様に上(横)から挟み込むように取付けるタイプの固定金具です。

ベランダ角取付け用固定金具
bs-anntena-buzai-couner.jpg

ベランダの角の格子に取り付けるタイプです。

ポール型固定金具
bs-anntena-buzai-pall.jpg

マンション等でベランダ外側にアンテナが出せなかったり手すりに金具取り付けが困難な場合に用います。ベランダの床と天井に突っ張り棒の要領で固定します。

窓枠用固定金具
bs^anntena-buzai-mado.jpg

衛星方向にベランダがなく、壁付けが困難な場合窓サッシ枠に取り付けてアンテナを固定する金具です。

取付場所にはアンテナ取付け部材をしっかり工具で固定してください。ボルト固定タイプのものは必ずモンキーレンチ等のレンチ工具で締め上げて、屋根置きの場合は必ずワイヤー(針金)を張ってずり落ちないようにしてください。
パラボラアンテナは見ての通りまともに風の影響を受けます。取り付けは力にそこそこ自信のある方が行ってください。
またアンテナと固定金具を先に取り付けてから取付場所に固定する場合、アンテナ調整部を締めすぎない様にしてください。

アンテナ固定金具を設置したらアンテナを取り付けましょう

取付金具を取付場所に固定出来ましたならばアンテナを取り付けてください(アンテナに固定金具を先に取り付けるタイプは別)。その際後ほどのアンテナ角調整のためあまり締めすぎ無いよう上下左右に振れる程度に固定してください。どの程度かと言いますとそうですね・・・パラボラ部が首カックンになら無い程度で(笑)
パラボラ部が可動な状態ならそれ以外はしっかり固定してください。
アンテナの取り付け場所が高層階のベランダ等、アンテナ取り付け後のアンテナケーブルの接続が難しい場合は先にアンテナケーブルを接続した後にアンテナを取り付けましょう

アンテナにアンテナケーブルを接続しましょう

アンテナとアンテナケーブルの取り付けには必ずF型コネクタでの接続加工を行ってください。接続にはモンキーレンチ等工具を用いしっかり締めた後は防水カバーの装着若しくは絶縁テープにて水が入り込まないようにして下さい。

1.必ずF型コネクタで
BS-setsuzoku1m.jpg
2.工具でしっかり締めます
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3.緩みが無いかチェック
bs-setsuzoku2m.jpg
4.必ず防水キャップを
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結線が済みましたらアンテナ線をアンテナのアームバーに固定しておきましょう(外れ・抜け防止の為)

画像の黄色の丸のようにアンテナアームの最下面、そこからアンテナ背面上方向に沿わせて固定します(2ヶ所固定できましたら充分です。結束バンド等がなければビニールテープで巻きつけるのも可)。
その際アンテナ線の水色の矢印の部分を下方向にたわませます。たわみがアンテナアームの最下面(赤点線)より少し下回るようにしてください。
こうすると降雨時アンテナ面で受けた雨がアンテナを伝ってチューナー側(屋内側)に行くことが少なくなります。

アンテナケーブルを室内に引き込む

アンテナ側が接続できましたら次は室内のチューナー側に接続するために アンテナ線を室内に引き込むわけですがこの時気をつけて頂きたいのがアンテナが室内引き込み場所の位置より高い場合、雨水がケーブルを伝って引き込み穴の部分にまで到達する恐れがあります。

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ケーブル引き込み例その図1

屋根のひさしがある場合ひさし裏でわっかを作るように「返し」を作るとそこで伝って流れてきた雨水が落とされます。

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ケーブル引き込み例その図2

ひさし等が無い場合一旦引き込み穴より下の位置まで引き、そこからたわませて「返し」を作ってやります。

専用の引き込み穴が無い場合は換気窓やエアコンのパイプ穴などから入れるといいと思います。

cable_kankimado.jpg

換気窓からケーブルを引き入れた場合引き入れ側のサッシは開閉できなくなります

エアコンパイプ穴からの挿入例

ごく標準的なテープ巻きのエアコンパイプ管です。隙間はパテと言われる粘土で覆われています。

パテは簡単にはがせるかと思います。

エアコンパイプとパイプ穴の隙間からアンテナケーブルを送っていきます。

抜け落ちが無いように結束バンド等でエアコンパイプに固定します。

アンテナ線が上方から来ている場合雨水対策として「返し」を作っておきましょう。

固定が完了しましたらパテを付け直して隙間を埋めましょう。元々のパテが硬化していましたら新しいパテに交換したほうがいいでしょう(まちの電器屋さんで200円程度で購入できます)。

sukima-cable.jpg

アンテナケーブル挿入穴や換気窓、エアコンパイプ穴等がなく新たに穴を開けることが出来ない場合、サッシ窓に挟んでもしっかり閉めることが出来る「すき間ケーブルアダプター」などをお使い下さい。

チューナーとアンテナケーブルを接続する

これはごく普通のアンテナ接続です。チューナーとアンテナケーブルの接続はF型コネクタが望ましいですが、ない場合は普通のアンテナプラグでも構いません。

一つのアンテナで複数台のチューナーに接続する場合

お家に複数台のBS/110°CSデジタルチューナーがある場合、本来は1チューナーに付き1アンテナが理想ですがなかなか屋根上やベランダが壮観な眺めになります(笑)し、費用が大変です。
その場合1台のアンテナから複数台のチューナーへアンテナを分配することになります。
アンテナ分配を行うには一般的には「分配器」を使用します。アンテナ分配を行う場合これは地上波の場合でも同じなのですが、地上波の分配と違うのは衛星アンテナは電気を消費して作動するということです。
地上波アンテナと違って衛星アンテナは電気供給が必要でその電源は(電源供給型ブースター等を使用しない場合)かBS/110°CSデジタルチューナーら電源供給を行い、電源線はアンテナ線の共用となります。
もちろんBS/110°CSデジタルチューナーの電源を切るとアンテナには電源が供給されず衛星波を捉えることは出来ません。アンテナとチューナーが1台づつで直接接続ですとなんら問題は無いのですが分配器を中継しますと分配器によっては電流を通過しないものがありますので衛星放送を見ることが出来ない場合があります。

全端子電流通過型

全ての端子が電流通過仕様ですのでどのOUT端子にBS/110°CSデジタルチューナーを繋いでもアンテナに供給出来ます。

一部端子電流通過型

一部の端子のみ電流通過しますので電流通過するOUT端子にBS/110°CSデジタルチューナーを繋いでください。

全端子電流非通過型

全ての端子が電流を通過しませんのでBS/110°CSデジタルチューナーを繋いでもアンテナに電源供給出来ません。電源供給型ブースター等他の電源供給がされている場合ご利用いただけます。

分配器を導入する場合は電流通過端子を持つものを使いましょう。

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